一見して、すっくと真っ直ぐに伸びる樹木でも、全てが木材として出荷される訳ではありません。
大きな節の部分や枝の分かれ目、末広がりの根本は、家具用材としては出荷できないので、その場に残され、やがて朽ちて、森の循環に還るそうです。

その端材は「どんころ」と呼ばれておりました。
端材とは言え、とても大きな木の塊。
うねる木目、多様な模様。

これを使って作りたい……!
その気持ちはむくむくと大きくなり、この森のそばへ移住することにしました。

どんころの中に秘められた宝石のような素材を、魅力的な何かに仕立てること。私はそこに自分の役割を課しています。
そして、それらはやがては森へ還っても支障ないものにしたいと。

「森の民」のような作り手になりたいと、思いながらつくり暮らしています。